初期費用ゼロの仕組みは2種類:リースと電力販売(PPA)

「0円ソーラー」「初期費用ゼロ」と呼ばれるサービスは、事業者が太陽光パネルの設備費を立て替え、住宅所有者が月々の支払いで返していく仕組みです。設備は事業者のもので、住宅所有者は「借りる」か「電気を買う」かのどちらかになります。

初期費用ゼロの主な仕組み
仕組み住宅所有者が払うもの発電した電気余った電気
リース(定額型)月々のリース料(助成金の分だけ低減)住宅所有者が使う住宅所有者が電力会社に売る
電力販売(PPA)太陽光で発電した電気の電気代事業者から買って使う事業者が電力会社に売る
自己所有モデルサービス料金(売電収入の権利と引き換えに減額)住宅所有者が使う売電収入は事業者が受け取る

※都のリーフレットには、主に集合住宅向けの「屋根借り」(事業者が屋根を借りて発電し、住宅所有者は屋根の賃料を受け取る)も載っています。戸建てで多いのはリースと電力販売です。

購入・リース・PPAの違い

自分で買う(ローンを含む)場合と比べると、違いは「誰の設備か」と「補助金を誰が受け取るか」です。

購入・リース・電力販売(PPA)の比較
項目購入(ローン含む)リース電力販売(PPA)
設置時の費用設備費+工事費を支払う(ローンなら分割)設備費0円(工事費は負担のプランもある)設備費0円(工事費は負担のプランもある)
設備の持ち主住宅所有者事業者事業者
都の補助を受け取る人住宅所有者(自分で申請)事業者(利用料の割引などで還元)事業者(利用料の割引などで還元)
月々の支払いローンの返済のみ定額のリース料使った太陽光の電気の量に応じた電気代
故障したときメーカー保証・施工保証の範囲で対応契約期間中は事業者が修理・交換契約期間中は事業者が修理・交換
契約期間なし10年以上(都の登録プランの場合)10年以上(都の登録プランの場合)
家の売却・相続設備も一緒に引き継ぐ契約の引き継ぎか解約が必要契約の引き継ぎか解約が必要

※「故障したとき」「契約期間」は、都の登録要件(故障時の交換・修理サービスの付帯、契約期間10年以上)を満たした登録事業プランの場合です。登録されていないサービスは、この限りではありません。

東京都の「初期費用ゼロ促進の増強事業」とは

東京都は、初期費用ゼロで太陽光や蓄電池を設置するサービスを提供する事業者に対して、設置費用の一部を助成しています。正式な名前は「住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進の増強事業」で、窓口はクール・ネット東京(東京都環境公社)です。

令和8年度 住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進の増強事業の概要
項目内容
申請する人都に事業プランを登録した事業者(個人は申請できない)
助成金の行き先事業者に交付され、月々の利用料の減額や一括のキャッシュバックで住宅所有者に全額還元
対象になる契約都に登録された事業プランでの契約(令和8年度に契約した案件に令和8年度の単価を適用)
プランの主な要件停電時も電気を使える機能、契約期間中の故障時の交換・修理、賠償責任補償の付帯、契約期間10年以上
交付申請の期限(事業者)契約日から1年を経過する日か、2031年3月31日の早いほう。予算額に達し次第受理を停止
既存の太陽光の取り替え新しく初期ゼロサービスを契約して設備を取り換える場合も対象

助成額と、購入の補助との違い

初期費用ゼロの助成額は、3kW以下の小さな設備ほど、購入する場合の都の補助(家庭における太陽光発電導入促進事業)より高く設定されています。都は「低容量の初期ゼロサービスの普及促進のため」と説明しています。

既存住宅に太陽光を載せる場合の都の助成額(令和8年度)
容量初期費用ゼロ(事業者に交付→還元)購入(住宅所有者が申請)
2kW36万円30万円
3kW54万円45万円
3.5kW45万円45万円
4kW48万円48万円
5kW60万円60万円

※初期費用ゼロは、3kW以下18万円/kW、3kW超3.75kW以下は一律45万円、3.75kW超は12万円/kWで計算しています。購入は、3.75kW以下15万円/kW(上限45万円)、3.75kW超12万円/kWです。新築住宅、機能性PVの上乗せ(最大10万円/kW)、蓄電池(10万円/kWh、上限120万円)は別に定められています。購入の場合の詳しい金額は東京都の太陽光補助金の記事で解説しています。

なお、購入の補助(家庭における太陽光発電導入促進事業)も、リースや電力販売を対象にしています。その場合はリース事業者などが住宅所有者と共同で事前申込をし、契約金額から助成金額分を差し引きます。同じ設備で、都と公社の助成金を重ねて受け取ることはできません。どちらの制度を使うかは事業者に確かめましょう。

契約前に確かめたい5つの落とし穴

初期費用ゼロの契約で確かめたいこと
確かめることなぜ大事かどこで確かめるか
設置時に払う額は本当に0円か工事費だけ住宅所有者が負担するプランも「初期費用ゼロ」に含まれる見積書の内訳
途中解約したときの費用契約は10年以上。途中で解約したときの費用は契約書で決められている契約書の中途解約の条項
契約満了時の扱い設備を譲り受けられるか、撤去されるかはプランごとに違う契約書の契約満了時の条項
家を売る・相続するとき設備は事業者のもののため、契約の引き継ぎか解約が必要になる契約書の契約内容の変更の条項
屋根の保証工事が原因で屋根に不具合が出たとき、誰がどこまで対応するかを決めておく工事の保証書・賠償責任補償の内容

都に登録するプランは、契約書のひな型に「契約満了時の対応」「中途解約(住宅所有者等からの申出)」「契約内容が変更になる場合の対応」などを書くことが必須です。登録プランなら、これらは契約書のどこかに書かれています。説明を受けるときに、その箇所を見せてもらいましょう。

申込みから設置までの流れ

  1. 1

    屋根に向いているかを調べる

    東京ソーラー屋根台帳で、自宅の屋根の発電量や設置できる容量の目安を確認します。

  2. 2

    登録事業プラン一覧から候補を選ぶ

    都の登録事業プラン一覧で、リース・電力販売などの仕組みと事業者を確認し、2〜3社に絞ります。

    落とし穴 一覧に載っていないプランは、都の初期費用ゼロの助成の対象になりません。

  3. 3

    見積と契約書のひな型をもらう

    月々の利用料、契約期間中の支払総額、助成金の還元方法(月々の減額か一括か)を比べます。

    落とし穴 還元方法はプランごとに決まっています。一括還元と分割還元では、月々の支払額が変わります。

  4. 4

    契約する

    途中解約・契約満了・家の売却時の扱いに納得してから、登録事業者と契約します。

  5. 5

    設置・利用開始

    事業者が設置します。助成金の申請は事業者が行うので、住宅所有者の申請は不要です。

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    助成金の還元

    サービス開始後、利用料の割引や一括還元などの形で助成金の全額が還元されます。

    落とし穴 蓄電池も付ける場合、2026年10月1日以降の契約は、SIIに令和8年度以降に登録された機器だけが助成の対象です。

営業を受けずに確認する方法